1月16日 商品到着。
Godox [V850 + FT-16S]
リンク:本家 Godox
完全マニュアル・スピードライト。
・リモート・トリガー(遠隔発光)
・リモート・パワーコントロール(遠隔光量調整)
両者ともに可能であることが、(価格を考慮すれば)画期的である。
TTL とか、外光オートとか、そんな
撮影者が指示する明るさで、指示するタイミングにピカッと光る、
それを確実に、繰り返し、長時間実行する、
しかも、それを遠隔操作する。
それがこのスピードライトの魅力である。
軍艦ホットシューに固定して使うだけなら、それほどの魅力はない。
本機は「リモート光源」として使用することで、「高価値」になる。
現在は Canon 機で(将来は Nikon 機でも)高速シンクロが可能。
God = 神、Ox = 牛
中国では「神牛」と表記される。
Godox [V850 + FT-16S] vs. Yungnuo [YN560-III + RF603]
V850 + FT-16S のセット、 2014年1月、 $165 (購入時 $1≒\105)
同時期、YN560-III + RF603 で $100 前後。
GD セットには充電池・充電器が付属し、
YN セットでは、別に(わずか単三4本ではあるが)電池が必要。
サイズ:
液晶画面のサイズは GD がやや広く、胴回りも GD がやや「太め」。
全体の作りは優秀。「歪み」も「隙間」も「バリ」も皆無。
液晶画面には、保護シートが貼られていた。
重量:
GD は充電池・受信機を装填、
YN は eneloop 4本をセットして、重量測定。
V850 + 充電池 + 受信機 |
YN560III + 単3電池4本 |
GD → 555g
YN → 484g
実用上、困るほどの重量差ではない。
電源 :
YN → 単三4本 (1.5V x 4)
GD → Lithium 充電池、カタログスペックでは、11.1V, フル充電 2.5時間, フル発光600回以上, 充電可能回数500回以上と言う。
なぜ、これまで「充電池を使うspeedlight」が開発されなかったのか、不思議なくらい。
充電池:
55 x 55 x 13 mm 122g |
充電池のみ購入可能。$35 程度。
充電器:
中華製ゆえ、「過熱、発火事故」が心配である。火事になっても保障はあるまい。
完全放電から満充電まで 2.5時間と短時間であるから、安全を期し、周囲に人がいる場合のみ充電を行っている。無人の部屋、夜間、可燃物付近では使用しない。(過剰不安、考えすぎかな?)
メインスイッチ:
YN → 「2秒長押しで on / タッチで off」、 YN560-II より改善されているが、長押しは「かったるい」、イライラする。
GD → on/off のスライド式。
ただし、オートパワーオフ時間が経過すると、「スイッチは on 側だが、電源は off」という矛盾状態になる。私はこの「不整合」が気になる。
(蛇足:理想的には、「ふたつボタン同時押しで on/off」が、使いやすく、オートパワーオフ時にも矛盾がないと思う。)
調光:
YN → 左右ボタンで8段階に大きく変更し(1 - 1/2 - 1/4 - - 1/128)、上下ボタンで 1/3 単位の微調整を行う。(設定により、1/2 ステップの微調整も可能)
GD → 1/3 step の微調整を含めダイヤルで「23段」を調節する。1/2 ステップ調整はできない。
大きく増光・減光する場合は YN 有利、微調整は V850 有利
YN → 調光調節は「ロータリー」、すなわち 最大値である 1/1 より上げると 最小値である 1/128 に、最小値より下げると、最大値へ移行する。
GD → 最大値より上、最小値より下へは移行しない。(厳密には 1/1 より上はなく、1/128 の下は 発光off である、発光off は多灯時に便利)
光束ズーム:
YN, GD 同等
必ずしも左右上下が均質ではない(らしい)が、価格を考えれば上等ではないか。
Godox のラジオスレーブ機能:
送受信に 433MHz が使われる。この周波数使用は日本国内において
「アマチュア無線の呼び出し周波数に割り当てられており、違法」
である。送受信は極めて短時間であるため、無線局に影響を与えることはないだろう、との「楽観意見」もあるが、言い訳は通用しない。「使用は違法」である。
電波法に違反すると、使用者は1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられる。しかし同法上、販売者を罪には問えない。
『総務省は「違法な電波を発すると知って販売した場合、警察当局が刑法上の幇助(ほうじょ)罪に問うた例もある」として、2013年からアマゾンやヤフー、楽天などネット通販大手に、妨害事例のあった無線付き商品を販売しないよう指導を開始した。』
という記事もある。
販売、購入までは合法だが、「使用」してはいけない。販売者は違法性を問われることなく、「使用した場合のみ、使用者が有責」である。であれば、
最低限、国内販売者は「日本国内での使用は違法である」と明記すべきであろう。
FT-16S 送信機:
単三電池2本で駆動する。
ユニバーサル・ホットシュー対応、すなわち、カメラメーカーを問わず使用可能。(そう言うとカッコイイが、実際は「カメラとの接点は1点のみ」で、複雑なことはできない、ということの裏返し)
ホットシューに固定せずとも「テスト発光」可能である。
YN の RF603 は、ホットシューに固定し、カメラ電源オンにして、やっと、テストが可能になる。(この欠点は、RF603II で改善された。)
「長時間使用しない場合は電池をはずせ」とあるが、「長時間とは、何時間以上を示すのか」は記載がない。ユニバーサル・ホットシュー対応、すなわち、カメラメーカーを問わず使用可能。(そう言うとカッコイイが、実際は「カメラとの接点は1点のみ」で、複雑なことはできない、ということの裏返し)
ホットシューに固定せずとも「テスト発光」可能である。
YN の RF603 は、ホットシューに固定し、カメラ電源オンにして、やっと、テストが可能になる。(この欠点は、RF603II で改善された。)
新品アルカリ電池で、どの程度の期間あるは発光回数、使えるか、これも記載なし。
V850 (Speedlight 本体) は、スリープモード設定が可能だが、送信機にはスリープモードがない。液晶窓に表示があれば、電源オンである。
送信機の収納ケースは準備されていない。
送信機・受信機ともに、 "Channel" と "Power" を、それぞれ16通りに設定することができる。
"Channel" は、リモートトリガーすなわち「発光指令」を伝達し、
"Power" は、リモートパワーコントロールすなわち「光量調整指令」を伝える。
"Channel" が、ダイヤル(回転式)で、0, 1, 2, … 9, A, B, C, D, E のいずれかを選択するのに対し、
"Power" は、4つの dip switch の オン・オフで、 2^4 = 16 通りを選ぶ。マニュアルにはその設定を、 1, 2, … , 15, 16 で表記する(すなわち、4bit とも off, あるいは binary 0000 を 1 とするのだ)
"Channel" は、Zero(0) から開始し、十六進数の(一般的)表記どおり、'F' まで。
"Power" は、One(1) から開始し、十進数の '16' まで。
(実用には、なにも問題ないのだが)不統一で、「気持ちが悪い」。
FT-16S 受信機:
POWER の文字が示す、数字 0 ~ 文字 F が、 「光量調節チャンネル指定」である。 このダイアルのクリックが弱い。 油断すると、「気づかぬうちにわずかに回転し」、 光量調節指令が伝達されないという、 失敗があった。 |
一方、CHANNEL 指定は、4連 DIP で、 不用意に変更されることはない。 爪楊枝の先ほどのサイズだが、 指で設定できる。 |
V850 と受信機は、この4接点+小さいクラッチ構造 だけで接続される。 |
V850 側面は、わずかに傾斜しているため、 受信機と本体のあいだに 数mm の「隙間」ができる。 |
本体(V850) への固定が「こころもとない」。4脚の電気接点、プラスティックの凹凸で固定されるが、衣類・手指に引っかかったとき、容易にはずれる。軽いので「落下による故障」は起こらないかもしれないが、「水没」と「踏みつぶし事故」が心配だ。
受信機・本体を接続した状態での「隙間」が気になる。もっと「美しく」一体化するように設計できなかったのだろうか。残念である。
FT-16S 裏面、V850 側面にそれぞれ、「ベルクロテープを貼って安定を図り、かつ隙間を埋めること」を考えている。(未試行)
操作番号設定チャンネルのクリックが弱い。わずかに触れるだけで回転することがある。受信機側のチャンネルを頻回に変更する必要があるとは思えない。よって、もうすこし回転抵抗を強くすべきだったと考える。
FT-16S 装着時、横幅がわずかに広がるため、標準のストロボケースに収納できない。無理をすれば入るが、出し入れ時に受信機を壊しそうだ。
AF補助光:
50cm ほど離れた白壁に照射した。 |
10, 20, 30秒のいずれか、赤色AF補助光を照射する。
ほの暗い部屋なら、10m 以上到達する。
利用する機会はなさそうだ。
スタンド:
GD はカエルの姿だね。 |
左(両手・両足がある方)が GD, 右が YN.
YN は後方の支えが不足だ。さらに、裏を見る。
GD は、金属の補強があり、三脚・ライトスタンド に固定する場合に「プラスチック台を割る」心配がない。
「完全マニュアル Speedlight 」を購入するほどの強者は、(当然なんらかのスタンドを所有しているだろうから)不要な部品とも思える。
考察:
外部リンク (FlashHavoc )において、 Godox べた褒め、Yongnuo 形無し。
詳細説明、比較、欠点提示などもある。
ここを読めば、私が語る・あるいは書くべきことはない。
指摘されている問題点を確認し、考察する。
●キャッチライトカード
「薄い白板がはずれやすい」とされる。
→ 私の個体ではそのようなことはない。それに使うこともない。
発光面ディフューザーもほとんど使わない。
●フット部(ホットシュー結合部)
横幅がやや狭く、キャノン機で結合不安定になるらしい。
→ 私のキャノン機ではそのようなことはない。個体差、あるいは工作精度にばらつきがあるのかもしれない。
●照射パターン
広角照射では、均一な明るさだが、ズームすると不均質だという。
→ 私はソフトボックス光源として使うので気にならない。しかも私は鈍感である。
●発光 ready 音
電源オフ時、各種設定が記憶され、次回起動時に前回設定に復帰するのだが、ブザー音設定だけは毎回 off になる。なぜこれだけを記憶させないのか。
→ 私も発光可能状態を音で確認することに慣れているので、使うたびに ブザー/on に設定するのが面倒だと思う。ただし、リモート操作で容易に on/off 可能である。
高速シンクロ (HSS) モードも同じく(マニュアルモードへ)リセットされるが、これはやむをえまい。
●LCD バックライト
各種設定が表示される LCD 部の照明が 「10秒固定」である。(せっかく)大電源を内包しているのだから、たとえば「30秒・60秒・常時オン」などの設定が欲しいところだ。
→ もっともな意見だが、リモートで使用する場合 LCD を見る必要がない。
●同期ポート(PCポート) 径
カタログスペックでは 3.5mm と記載されているが、実際は 2.5mm である。
→ 誤記により、困るヒトもいるだろうネ。
●収納袋
本体ぎりぎりの大きさであり、受信機を付けたままでは窮屈で収納できない。
→ 同感。
ただし、出荷ロットによっては、(やや大きい袋に)改善されているらしい。
以上、いずれの「問題点」も「些細なこと」である。
それほど、「欠点が少ない製品だ」ということだろう。
使用電波の問題さえなければ、たいへん優秀な speedlight である。
「マニュアルライト使い」なら、2、3台、持っておきたいものだ。
私は V850+FT16S のセットで、usd 120 あるいは jpy 13K 以下になるのを待って、買い足そうかと思っている。
1 件のコメント:
Godox製品(V850やAD360等)の購入を検討していましたので、大変参考になりました。今後もちょくちょくブログ拝見させていただきます(^^
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