2013年6月7日金曜日

YN560-III

紆余曲折あり、YN560-III を入手した。
縷縷、気づいたことを書き留める。

重量:
II に RF603同等機能が組み込まれるのだから、 (II 単体に比べれば当然) III が重くなるはずだ、と「先入観」を持っていた。
実際測定すると、(eneloop 4本込み)
II、III いずれも 434g であり、「完全に同重量」である。
「機能が増えただけ重くなる」と考えたのは杞憂であった。
アマゾン「ハピネス・エキスペレス」の商品説明欄には、
「本体のみ 540g」 と記載されている。
III に付属のマニュアルでは、本体 350g、実測値もその程度である。
商品説明に「不利な過重量」を記載するとは勿体ないことだ。

サイズ:
筐体は全く同一のものである。
同じ「鋳型」を流用することにより、コスト上昇を避けたのであろう。
よって、サイズも全く変化はない。

電源:
II は、電源の on/off 時に、「電源ボタン2秒押し」と「かったるかった」。
とくに、電源を切るときがイラついた。
III には、「Quick Turn モード」が新設された。
Quick Turn : Off では、II と全くおなじ、電源ボタンの長時間押し。
だが、
Quick Turn : On に設定すると、
電源ボタン1秒以下で使用可能となり(さすがに ワンタッチではない、これは誤動作防止のため、やむを得ないだろう)、再度電源ボタンをタッチするだけで、電源が切れる。
すなわち、
・電源オンにするには、1秒押し
・電源オフにするには、ワンタッチ
で合理的である。
オートパワーオフ機能も装備されているため、「Quick Turn : On」の状態のまま使うことに何ら問題はない(ように、今のところ思える)。

微調節量の設定:
II に置ける微調節量は +0.3, +0.5, +0.7 の固定値であった。
1/3 段を好むユーザと、1/2 段を好むユーザの両者の顔を立てた結果、
なんとも見苦しい段差になった。
III においては、[+0.3, +0.7], [+0.5], [+0.3, +0.5, +0.7] の3セットの中からいずれかを選択する。
可能なら quarter set [+1/4, +1/2, +3/4] も欲しかったね。
(それに意味があるかどうかではなく、美学の観点である。)

節電モード:
オートオフに至る時間を数通りの中から選択可能。
私はその「有り難み」が理解できないが、良いことなのだろう。

単三電池:
電源は単三電池4本、もちろん eneloop を使う。これだけで、II の発光機能と RF603 のリモート受信を賄う。
II + RF603 においては、単三4本+単四2本の(電池残量)状態を確認する必要があった。それが eneloop だけで済むのは、精神衛生上極めて良いことである。
II + RF603 では、 RF603 の電源を切るのが面倒であった。これも不要になった。
発光+受信のため、当然「電池持続寿命」は短縮するのであろうが、数日間使った範囲では、「短縮した」との実感がない。

グループ化:
現在のところ、その機能は「無効化」されているが、
操作盤に「GRP」の刻印がある。
Firmware の改訂は困難であろうが、何らかの「複数フラッシュグループ化機能」が隠されているのかもしれない。
(予定はあったが、組み込まれず、刻印だけが残っているのかもしれない)


[YN560-II with RF603]  vs. [YN560-III]
「RF603 を同時に使うなら」、言うまでも無く III が圧倒的に有利である。

III が劣る点は「電池の持続」のみであり、これは相当数撮影しなければ確認できない程度の差である。(数百シャッター以上?)

しかし、RF603 を使わなくとも、III が優れる点が多い。
(わざわざ中国製の)YN560 を購入しようとするほど者が、
「カメラ本体のホットシューに本機を固定して使う」とは思えない。
リモート発光、もしくはスレーブ発光で使う(ことが多い)だろう。

III をメイン発光、1台または複数の II をスレーブ発光させるのは、「複数光源を扱う」、最も安価な方法ではあるが、「外見が全くおなじ機器」において「操作法が異なる」のは、精神衛生上好ましいことではない。

II と III は、現状 1500円程度の価格差である。
RF603 単体は 1800円前後であることも考慮し、

以下の結論を得た。

「II を購入し、充分使いこなす前に III を見れば、
 II を買ったことを、『必ず後悔する』、投げ捨てたくなること必定である。」
 (私がそうである)

「もはや 新規購入にあたり II を選択する理由は存在しない。」

「II の所有者は、身近な初心者を誑(たぶら)かし、高値で売りつけ、
 わずかな差額を払って III に買い換えるべきである。」
 (私は II を 5000円で売りつけようか と思っている)

「II を買うなら 6000円以下と弁(わきま)えよ。」

「今後、『過剰在庫を処分する』ため、II の価格が下降してゆくと予測する。
 『あわてて II を買う』、ましてや『安くなったからといって複数台の II を買う』
 など、愚の骨頂である。」