2017年5月23日火曜日

FlashQ Q20

FlashQ Q20 (LightPix Labs)
also known as "Flash Q20"


2015 年 INDIEGOGO(Crowd Funding site)にて拠金を募ったが、
協賛は目標額の 1/4 程度にとどまった。



あれから約2年、「投資に頼らず」商品化された。
製品の特徴・外見は、初期に提出されたものと「全く同じ」に見える。
2年前の構想と、商品化されたものを比較すると良い。



(2017年)5月上旬から発送可能となったので、さっそく購入した。
注文1週後に到着した。
価格は上記サイトで確認されたし。





同梱品一式。
収納袋はベルベット調の巾着。

サイズはタバコ大。(59 x 99 x 29 mm, バッテリー無しで115g, 込みで 172g)
単三2本で、GN20。
フルサイズカメラで焦点距離 32mm レンズに相当する照射角。
ユニバーサル・ホットシュー対応(カメラメーカーに依存しない)。


ない・無い・ない・無い:
  • 発光量が少ない。(GN 20)
  • 標準装備の減光装置(ディフューザ)がない。
  • 汎用ストロボ・ディフューザを取り付けることができない。
  • キャッチライト用白板がない。
  • 照射角ズーム機能がない。
  • 上下方向の首振りは90度までしかできない。
  • 左右方向の首振りは全くできない。
  • 測光機能がない。
  • FP発光ができない。
  • 高速充電できない。(フル発光時、充電7秒)。
  • 日本の「技適マーク」がない。
  • 保証書は付属しない。
  • 充電終了音がない。
  • (本体の)オートパワーオフ機能がない。
  • マルチ発光(連続ストロボ発光)機能がない。
  • 1/3 あるいは 1/2段の微調整機能がない。
  • 故障時の保証、修理サービスは期待できない。
  • (送信機の電池は付属するが)本体側の電池は付属しない。
  • 全体構造が無骨(ぶこつ)で繊細さがない。
  • 黒と白しか、バリエーションがない。
  • 三脚固定孔が正中にない。
  • 収納袋が付属するが(落下時に本体を保護する)クッション性はない。
  • (日本国内に)使用者が少ない。
  • 耐久性についての報告・資料がない。
以上(筆者が思いつくままに)列挙した項目中、2項目以上に対し「それでは困る」と感じるのなら、このライトは「あなた向きではない」ので、以下を読むのは時間の無駄である。


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本体側面が直線的であり、どの向きにでも安定して置くことができる。
受信機能は本体に組み込まれ、発信器も本体の一部として収納される。
遠隔操作可能距離は 10m。
送信機側で、光量をコントロール可能(1/1 ~ 1/64 の7段)
底面に三脚固定孔がある。
収納袋・カラーフィルターが付属。
前代の送信機でもコントロール可能である。
Manual / S1 / S2 / Video モードあり。
弱いながらモデリングライトも可。


気になる点:
本体・送信機のペアリング 操作(2個のボタンを同時に3秒以上押す)の難度*が高い。ボタンが小さいことも一因である。(*高いのは難度であり、難易度ではない)
一般には、「初回一度だけペアリングすれば良い」ので、たいした問題ではないのだが、送信機を複数所有する場合は大いに困る。
本体・送信機、いずれも「オートパワーオフ」機能について記載がないが、おそらく、
・本体にオートパワーオフ機能はない。
・送信機は5分程度で自動的に電源オフとなる(と思われる←前代がそうだった)。


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GN20 程度、カメラ機種に依存しない、オフ・カメラ発光、トリガー側で発光調節可能、などの特徴がある speed-light として、現在のところ唯一無二。
「技適マークなし」、「耐久性」を心配する向きもあろう。

ブログ主(筆者)には、ほぼ理想形である。
壊れるまで持ち歩く。

単三2本装着での総重量。

高級感はないが、全体の造形はしっかりしている。
稜は美しく面取りされ、不要な突起も、ガタツキもない。
工業製品として合格。

ほぼ直線でのみ構成され、「あか抜けない」印象であるが、
「どの面を下にしても安定する」のはメリットである。

奇を衒った
「Canon フラッシュ スピードライト 270EX II」
など、どの向きに置いても不安定である。
あれは、デザイナーの自己満足である。

見慣れぬ「発光部の回転方式」だ。
0, 45, 60, 75, 90度にクリックがある。
(クリック以外の角度では固定できない)

透明アクリルと、1/4 円柱部との間に
色フィルターを挿入する。
フィルター挿入部に適度な抵抗があり、フィルター落下の心配はない。
国外のブログで、「フィルターが落下しやすいので構造上の欠陥である」
と評価している者もいる。

本体とトリガーは「機械的フックで固定」される。

本体・トリガーの固定は(プラスチックではなく)金属部品が
使用されている。
ぐらつくことなく、実用上 必要充分な精度である。
本体側の嵌合部は金属製で、前後に対称《シンメトリー》である。
送信機・奥部に金属接点がある。
本体嵌合部とこの接点が電気的に接合し、
送信側の電源オフの状態でも、本体電源オンであれば、
カメラのホットシューに取り付けることで、
オン・カメラフラッシュが可能である。

嵌合部が前後に対称であることから、
送信機を前後逆に取り付けてみた。
(予想通り)それでは機能しない。





海外には多数の review がある。

たとえば、ここ
Xlightphotography

筆者が、メーカーに変わってレビュアーの批判に反論したい。

THE BAD
・Not powerful enough for “heavy duty work”.
200ml 入りの牛乳パックに対して、「500ml 入っていないから良くない」と言っているようなものだ。ナンセンスな批判だ。GN20 ならでは活躍場所がある。
GN60 程度が必要なら、すでに多数の選択肢がある。
この「手のひらに載る」サイズが貴重だ。

・Flash head does not swivel sideways.
オフ・カメラで自由に設定できることが「最大の利点」なのだ。
対象物の 上・下・右・左・後方・前方どこからでも照射できる。
On-camera で左右にクビが振れないことなど全く欠点ではない。

・Manual flash only. Might not be good for beginners.
TTL, HSSなどに対応すると汎用性がなくなり、巨大化する。
むしろ、初心者が TTL などに頼らずマニュアル発光を使う方が望ましい使いこなしだと思う。
純正の何万円もするフラッシュより、ずっと利用価値が高い。
比較的安価であることから「いつでも持ち出そう」という気になる。

・Lacks flash accessories.
ディフューザーのことを言っているのだろうか。
乳白色のフィルターが同梱されている。
その他、市販のディフューザーを使って いくらでも工夫できる。

・Small triggers that you might lose.
可能な限り「小型化」されたものに対して、「小さすぎて、無くすかもしれない」との批判は笑止千万。
このサイズでリモート操作ができることこそ称賛すべきだ。
紛失はユーザーの責任であり、メーカーの責任ではない。


結論:

小型のリモートフラッシュは何かと便利である。


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以下、雑談。

(筆者が所有する)GN20 汎用スピードライトを簡単に比較。
いずれも中国製。

GN20 前後の小型 speed-light

SUNPAK : PF20XD
VILTROX : JY610II

PF20XD も JY5610II も、リモート機能がないので、比較すること自体がナンセンス。
(いずれも FlashQ Trigger set を使って、off-camera 使用している or いた。)
サイズはほぼ同程度である。

PF20XD : 単4電池駆動(その分、軽量である)。光量調整5段。モードスイッチが異常なほど使いにくい。Slave1, Slave2 モードとも反応が悪いとの報告多数あり。

PF20XD(右)
単4二本駆動のため、小型・軽量。
操作ダイヤル、操作スイッチの仕様は落第レベル。

PF20XD : 現在は販売されていない(のではないか)。
長い間活躍してくれた。


JY560II : GN22 とわずかに明るい(誤差範囲ともいえる)。フル発光でのリサイクルタイム 4秒。調整が 1/3 EV 幅で可能。最小 1/128 EV。


JY560II
微調整可能だが、筆者には不要なステップで、かえって使いにくかった。
単三電池2本駆動。電池収納部がギリギリのサイズであり、
eneloop 電池を入れると取り出すのに難儀する。

全体が局面で構成されているため、設置場所を選ぶ。