2015年6月30日火曜日

FlashQ

FlashQ

この記事内容は、 2015年2月時点のものである。
(その後 わずかずつ修正・訂正、加筆している)


私が、コンパクト(レンズ交換不能)カメラに期待するもの、
1. まともな常設ファインダー(ホットシュー取り付け型は認めない)
2. ユニバーサル ホットシュー
3. フラッシュを内蔵しない
・ ピクセル数ほどほど
・ タッチスクリーン不要(まぁ、あってもいいけど)
・ 狭角より広角
・ 高速起動

1, 2, 3 の条件を同時に満たすコンパクト機を待った。

Panasonic DMC-LX100 が、上記条件を満たしたので碌に考えもせず入手した。

一部の「デジタル一眼中級機、ダブルズームレンズ付きキット」より高価であるが、
期待に違わず「使うことが楽しくなる」カメラである。

さっそく、off-camera flash を試みた。
(off-camera flash を OCF と略す方がいる。対語である on-camera flash も OCF であり、英字3文字の略称として、合理的選択ではないと思う)

Panasonic 純正のフラッシュライト DMW-FL70(‐[KS])? を使えば、3台までのスピードライトをコントロール可能だ。TTL調光もできる。しかし、

・(電波でなく)光による遠隔操作は距離に限界があり、
・ 晴天戸外、障害物越えで反応しない、
・ (わずかであっても)本体に装着したフラッシュのコントロール光は不要・醜悪である。(これを消すために IRフィルターを貼ったり、Nikon の IR パネルをつけたりとご苦労様なことである。)
・ LX-100 は良いカメラだと思う。しかし 専用品を買い揃えて Panasonic と心中する気はさらさらない。できるだけ汎用品を使いたい。
という理由で、「私は」純正品に全く関心がない。


1. Yongnuo (RF-603N II|YN560-TX) with YN560-(III?|IV)*
2. Godox FT-16S with V850

で問題なく off-camera flash が使える。
SS も 1/1000sec まで確実に同期し、マニュアルで光量調整、複数ライトの構成も可能。

* regular expression
YN560-II or YN560-III or YN560 IV
を表現するのに YN560-I(II?|V) も形式的には正しいが、理解しがたいだろう。
常識的には YN560-(II|III|IV) だろうな。


早くも結論。

Panasonic DMC-LX100 で Off-camera flash を いますぐ、かつ安価に実現したいなら、

・ YN560-(III|IV) : 8000円程度
・ RF-603N II : 2個セットで 3600円

注文して2日後には自宅に届くであろう。(上記は日本 Amazon 価格)
しかも、カメラメーカーを問わず、使い回す・使い続けることができる点も優。

蛇足:
 YN560-III + RF603N II 1機ずつのセットを 9000円以下で販売すれば、売れるだろう。
 多少安価であっても YN560-II を選ぶメリットはない。たいへん使いにくい。
 RF-603 初期型、および Canon 対応型は勧めない。RF-603N II のみ推奨。
 Godox も優秀だが、充電池品質に不安があり、しかも高価である。推奨しがたい。 ◆


が、Yongnuo にせよ Godox にせよ
・Transmitter (発信機)が大袈裟で、不格好である。
・ スピードライト本体も大きすぎる。(体積比でカメラ本体の3倍?。せっかくの小型カメラを使う意味がスポイルされる。)




RF-603N II with YN560-III
speedlight が異様に大きい。

RF-603N II on the hot-shoe
色調の統一感は保たれる。


RF-603N II on the hot-shoe

LX100 の鏡胴ダイヤル操作がやりにくい。

全く操作できないというわけではない。

YN-560TX on the hot-shoe
and YN560-III

『頭部肥大』である。
こうなると、LX100 を使うことを疑問に感じる。


YN-560TX

この状態で 560TXの各種ボタンを操作するのは、
非常に不安定である。


Godox FT-16S on the hot-shoe
and V850 speedlight

Godox FT-16S on the shoe.
カメラと発信器の組み合わせ外見としては、これが一番かっこいい。
リング操作にも支障をきたさない。

蛇足:
当ブログの過去記事に 「RF-603C を Four-Thirds 用に改造」の記録がある。そこで改造したRF-603C は、残念ながら LX100 では機能しなかった。
現在、Four-Thirds カメラで Yongnuo 発信機を使うなら、「RF-603N II」 が確実である。(RF-603C II でも可能と聞くが、私は所有していない。) 
蛇足ここまで ◆





ここまで、長い前置き。

ここから本題である。


そこで

  Crowd funding* 出品の頃から存在が気になってはいたが、
  「買っても使いそうにないな」と購入を躊躇していた。
  今回、LX100 に使うと言う大義名分が立ったので

 LightPix Labs FlashQ を、香港に注文。 
送・受信機のペア $39, 日本への送料 $6, 合計 $45
注文後 5日で到着した。

*
クラウドファンディング : crowd funding
クラウドコンピューティング : cloud computing

「クラウド」を日本語で発音すると、上記二者を区別することは困難。
英語では綴りが異なるのが面倒なところ。◆ 以上蛇足

宛名はシールでなく、
「女性の字」による手書きであった。
「手作り感」があって嬉しい。

「女性の字だ」と言うのは、私の希望・妄想である。

何か「大きさの対照となる物」を入れるべきだったな。
11.0 x 7.5 x 3.5 cm
薄い段ボールの小箱。

英文のマニュアル
「リモート発・受信」の単機能だから、
読む必要もないくらいだ。

ほぼ相同の
左(←):発信機、右(→):受信機
サイズは 2.5 x 2.5 x 1.5 cm
重量わずか 10g 

送信機・受信機とも
「ロック機構」がない。
それゆえ、受信機が重量級のスピードライトを支えるには不安である。
[micro USB] --- [Prontor-Compur]を両端に持つコードが同梱されている。
コードの使用例と設計の悪さを後ほど提示する。

電池は CR2032 各1個。
電源ボタン  連続3秒押しで on/off
電源 on 時に LED が赤→緑→青と点滅する。

「電源が入っていること」を示すLED 点灯はない。
これはちょっと残念だ。
ただし、Test ボタンを押すと 赤LED で確認可能。

無操作 15分でオートパワーオフとなるので、
「電源を切る」という操作は事実上不要である。
これは精神衛生上きわめて良い。

マニュアルによると、電池寿命は
10万発光 あるいは 6ヶ月間のスタンバイ状態という。

比較的入手しやすい電池であり、マニュアル通りの寿命であれば
すばらしいことだ。

「うっかりもの」の私には、
電池を交換する前に、どちらかを紛失する可能性の方が高い
と思われる。

もし紛失したら、また買い直すか?と自問すると、
「おそらく、二度目は買わないだろう」

DMC-LX100 に「送信機」を装着。
「純正オプションか」と見まごうほど、まったく違和感のない色調・統一感である。
ただし、あと 5mm ほど前方に固定されれば さらに完璧であった。



レシーバ側を見てみよう。

スピードライトホットシューで結合。
スピードライト側のロックリングで結合は強固だが、
レシーバーの台座は簡単にはずれる。

レシーバーとスピードライトを、
付属の mini USB - PC sync で結ぶ。
コードと合わせて12g 程度である。


極めて軽量であるため、落下の可能性は低いが、
もし、このスタイルで実践使用するなら、
テープで固定しておきたい。

なお、この接続状態で、数回トリガー発光させた。
その直後に Speedlight YN560III は調光不能に陥った。
PC sync 接続と故障の因果は不明だが、
なんとなく「後味が悪い」


レシーバーと mini USB 結合部。
しっかり奥まで挿入したが、2~3mm の間隙がある。

動作上、何の問題もないが、
日本の製品では考えられない「設計上、つめの甘さ」である。


FlashQ は、「発光タイミングを受信機に伝える」だけのものである。
TTL など無縁、さらに、発信側で調光することもできない。
ただ、それだけの機能だが、活用の幅は広い。


LX-100, FlashQ, PF20XD

GN60 クラスの YN560 など、もちろん問題なくリンク発光する、が、
(前半にも記述したように) LX100 に大型ストロボは似合わない。

現在、比較的容易に入手可能な、小型マニュアルスピードライトが、
SUNPAK PF20XD である。

LX-100 のほぼ半分の体積であり、
FlashQ でリンクするのに、サイズの上でのバランスは良い。
GN20、マニュアルで5段調光が可能。
単四電池2本で駆動する。

PF20XD はトリガー電圧が特殊であり、いくつかの遠隔トリガーでは発光しない、
と言われている。

今回も購入前、そのこと(FlashQ 経由で PF20XD を遠隔発光できないのではないか)を心配したが、杞憂であった。

カメラ(LX100)とスピードライト(PF20XD)のサイズバランスは良好
PF20XD のデザインは最悪である。

このセット全体で、入門一眼(本体+キットレンズ)の体積より小さく、
重量も軽い。
これくらいが「常時持ち歩く」ことが可能な上限。

合成画像にあらず。発光の瞬間を撮影した。
撮影方法を推理せよ。

eneloop 単四 2本込み。

・ SS 1/1000 sec までは、100% シンクロする。発光ミスは全くない。
・ SS 1/2000, 1/4000 sec でのシンクロ成功率は 20% 程度。(5回に1回成功)
(1/2000 と 1/4000 でのシンクロ率はほぼ同程度であった。1/2000 の方が成功率が高いだろうと予想していた。)

成功率が低いとはいえ 1/4000 のシンクロは嬉しい。
さすがにこの速度で使うときは大型スピードライトがのぞましいが。

便利なこれらの組み合わせだが、LX-100, FlashQ と比べると PF20XD のデザインが「ダさい」。
中国の家内工場で「片手間に設計し、生産している」感丸出しである。(そうじゃないかもしれないが、そう感じさせるスタイル・デザイン・操作性)

LX100 級の、ハイクラス・コンパクトカメラに相応しい、「スタイリッシュな小型スピードライト」が欲しい。





公称・電波到達距離は 10m と言う。→ 見通しのよいところでは 25-30m まで届く。

LX100 + PF20XD + FlashQ の全体積で YN560クラスのスピードライト1個より小さい。
重量は合計で 530g 程度である。

創世記1章3節 「光あれ」。光を工夫する楽しさよ。
私は、
「レンズを買い足すより、Off-camera flash を追加する方が安価でかつ楽しみが広がる」
と常々主張しているのだが、残念ながらそれを聞き入れる初心者はいない。
初心者は、
・スピードライトは(高価な)純正を購入するのが当然と思っている。
・スピードライトは暗いところで使うものだから使用頻度が少ないと思っている。
・何のことか知らずとも TTL というものが優れていると思っている。
・安価なスピードライトは、使いものにならないと思っている。
・ダブルズームキットの次に買うべきは、明るい単焦点レンズだと思っている。
・その結果、誰もが高価なレンズを買い急ぐ。
・そして、あっという間に(新レンズに)飽きる。次のレンズを物色する。を繰り返す。


収納の工夫


「わびすけ」のがま口ポーチ(小)
わびすけサイト


外装は帆布製であり、ある程度の衝撃吸収が期待できる。
内部は防水処理されており、多少の防水効果が期待できる。
ワンタッチで大きく口が開くので、取り出しやすい。

(大きく口が開くので、内部のものを落としやすい ともいえる)
このなかに常備するのは、以下の3点


スピードライト
リモートトリガー1組
ホワイトバランスカード


いずれも、「カメラに依存しない」小物である。

トリガーは、うっかり転がり落ちそうなので、
ビニール小袋に入れている。
この状態で、
内部のものが跳ね回ることはない。

もとは、化粧用小物入れ。
よもや撮影用品が入っているとは思われまい。
口金の玉(ひねり)が正中真上でなく、

やや側方にずれているのも良い。

「唐草模様」といえば「盗賊」を連想。

あるいは「東京ぼん太」か。
人前でこれを取り出すと、

「何だろう?」という意味の笑いがおこる。
中身を出すと、再度の笑い。

LX100 カメラ本体も収納できるが、
出し入れの際
口金でカメラ表面(のどこか)が

必ず擦られるため、
精神衛生上よろしくない。

カメラ収納には向かない。

FlashQ

話が散漫になり、自分でも何を書いているのか分からなくなった。

まとめよう。

今回は、Panasonic DMC-LX100 で使用することを前提に購入した。
その他、数台の SLR でも使った。
いうまでもなく、いずれにおいてもリモート・トリガーとして確実に作動する。


Good:
・ 軽量、小型
・ テスト発光可能(初代 RF-603 はこれができなかった)
・ 電池寿命が長い。電源オフにする必要がない。
・ 汎用(カメラ・スピードライトともメーカーに依存しない)
・ (今回実験していないが)多灯制御が可能という。
・ (ワンペアでは試しようがないが)混線せぬようチャンネルを自動設定するという。
・ 今回は無難に黒を購入したが、カラーバリエーションがあるのは良い。


Poor:
・ 小ささゆえに、落下・紛失への不安あり。(贅沢な悩み)
・ ロック機構なし(ただし、ロック機構を付加してサイズ・重量が増える方が困る。)
・ 遠隔調光不能。
・ 技術基準適応外(まぁ、今後も申請されることすらないだろう)
・ 電源 on/off 小ボタン3秒押し。On は困らないが、「一時的に off にする」ことができない。


Uncertain:
・ 送料込み $45。Yongnuo 機に比べれば高価だ。一方、サイズと独創性を考えれば納得できる価格とも思える。

 
Problem: (FlashQ の問題ではない)
・ 優秀な小型コンパクトカメラ、小型トリガーが市場にあるというのに、それらに似合う(スタイリッシュで、小型の)スピードライトが存在しないこと。


Recommend:
・ Off-camara flash を実践している者はすでに何らかのリモートトリガーを所有している。そういう者が追加購入するほどの価値は認めがたい。
・ マニュアル調光可能なスピードライトを持っており、Off-camera flash を始めるには適。(最適とは思えない)。
・ 若い女性が、小型ミラーレスカメラ+FlashQ+小型スピードライト を使って撮影する姿(撮った画像がどうであれ)を想像すると、嬉しくなる。


Absolute recommend:
・ リモートトリガー収集家には無条件推奨。


ネット上の記事


PetaPixel 記事

「シンクロ速度は 1/250 sec 以下」と書かれているが、実証せず、単に販売元の記載を転記して、記事を書いているのであろう。
実際は、
「シンクロ最高速度は、カメラにより異なる。多くのカメラで 1/250 sec は使える」
が正しい。


FlashHavoc 記事

単なる紹介のみ。役に立つことは何も書いてない。



国内記事

2015/02/14 時点で日本語による使用報告は見つからない。

マニュアル