2013年9月28日土曜日

RoundFlash Ring

RoundFlash Ring


注意:
記載した記事は 2013/12 までに記述したものである。
情報は徐々に劣化・風化する。2014/01/19 で内容を「凍結」する。
間違い・勘違い・時代遅れなど多数あろうが、寛恕願う。
本来なら「消去」すべきだが、
このまま放置する。「過去記事」として読んで欲しい。

2014 / 9月
本機販売元 Poland Asitis 社から、第2弾 RoundFlash Dish が発売された。
両者を区別するため、RoundFlash Ring と呼ぶ。


RoundFlash
ラウンドフラッシュ (商標を勝手に「カタカナ」書きして良いのか?)


google 検索で 日本国内での「使用報告」を検索してみるが、
「日本語による使用経験記事・レビュー」は見つからない。(2013/09/28)

注文から到着までの経過と、初期使用感を報告する。

事前研究

長所
・ドーナツ光が均一であり、欠損がない。
・サイズが大であることから、ソフト光である。
・軽い。
・小さくたたむことが出来る。常時携行も可能。
・リモートトリガーを使えば、(独立した)ソフトライト光源としても使える。
・リーズナブルな価格。
・被写体・眼球に、完全円形(ドーナツ形)の Catch light
・まだ使用者が少ない(ので、自慢できる)。

短所
・AF 補助光が無効になる
・manual focus, zoom など鏡胴操作が不可、あるいはきわめて困難。
・光量は(speedlight 発光量より) 1.5 EV 程度減弱する。
・大きすぎる。(ポートレイトの際、被写体と撮影者が隔絶される。)
・強力な(ネオジム*)磁石が使われている、磁気媒体への影響が心配。
・聞いたことのない販売元であり不安だ。
・まだ使用者が少ない(ので、情報不足)。

* 「ネオジウム」は誤りである。(私は、ネオジ「ウ」ム と発音していた。どうして誤記憶を形成したか、原因は定かでない。「ネオジウム」の方が「語呂」がいい、5音節の方が日本人には定着しやすい、ことが主因ではないかと考える。)

どこで買うか

 Poland asitis : 本体 EUR 109 + 送料 EUR 7
 eBay : MxCamera (Hongkong) など  USD 136
 amazon.de  ○ EUR119.99

 amazon.co.jp ×
 amazon.com ×
 amazon.co.uk ×
 amazon.fr ×
 amazon.ca ×
 amazon.cn ×
 amazon.it ×
 amazon.es ×
 amazon.com.br ×
 amazon.in ×

 Poland からの個人輸入経験はないが、どこに頼んでも(たいした)価格差はない。
 本社 asitis に注文することにした。

到着まで

・某月09日 08:00 PDT  注文、直ちにPayPal 支払い確定の通知。
・同月09日 08:31 PDT  本社よりメール「入金確認した。48時間以内に発送する。」
・同月12日 13:27 PDT  本社よりメール「発送した。track # は RR**** である。」
・同月18日 13:20 JST  自宅玄関で、日本郵政配達人より受け取った。

注文から9日、予想より早く到着した。
eBay でも購入可能だが、「本社 Poland から、10日以内に到着する」のであれば、本家注文が良いだろう。

以下の記述において、カメラの頭部・ホットシューに装着して光源とする、いわゆる「ストロボ」「クリップオンストロボ」「フラッシュ」のことを、Speedlight と記載する。


30cm x 20cm x 15cm 程度の「簡易包装」で到着した。
あちこちで「投げられた」だろうが、
内容物に損傷はなかった。


発送元拡大
Kraków, Poland か、
映画「シンドラーのリスト」を思い出す。
まさか 「Kraków と何らかの縁を持つ」ことになろうとは、
思いもよらなかった。


「収納された状態のサイズ」は「空気が抜けたハンドボール」
というところか?
もっと良い「たとえ」が欲しいが、思いつかない。
大きなカメラバックなら常時携行可能だろう。
独立したマニュアルはない。
説明は、この「しおり」だけ。
説明は英語。
製造元 サイトを見れば、使用法は一目瞭然。
『使い方が分からない人』が購入することはなかろう。


外径 45cm, 内径 11cm。

全体的に「しっかりした作り」である。
縫製もきちんとしている。
折りたたみ・展開を繰り返しても、そう簡単には壊れまい。
各種「中国製品」に比べれば、極めて優秀。
持ってみて「不安」を感じる部分もない。


ネオジム磁石は「ほどほどに強力」
カチッ・カチッと固定する音は「小気味よく」、
よくできたギミックである。
外周の「脚」は、レンズ固定の五角形のゴムの頂点方向に
一致して、5組である。
日本人が作ったら、ここはどういう「仕組み」を考えただろう。
磁気メディアへの影響は不明。


speedlight 挿入部(画面上)だけが「明るく」なり、
speedlight より離れた所(画面下)は「暗く」なるのではないか、
と、購入前には心配していた。
実際には、「ドーナッツ全体において極めて均質」である。
「布製」だから、ちょっとだけ「イビツ(歪)」だが、愛嬌の範囲。

どこに speedlight 挿入部があるのか、分からないくらいだ。
入光部の「しくみ」については、「購入してのお楽しみ」。

ポートレイト実例

「カメラ - 眼球」の距離 約 30cm

Roundflash は被写体の左肩に触れている。
メガネレンズ表面の反射。
catch-light は「大きさ以外に工夫の余地がない」、
いつもいつも使っては「有り難み」がなくなる。
『ワンパターン』と笑われるだけ。
「この人こそ」と思う「美女か、小児」を選んで使うべきだろう。

上半身ポートレイト実例を表示したいが、
「モデル」が、公開を拒否。

RoundFlash 本体により、撮影者(カメラマン)と被撮影者(モデル)が隔絶される。
あるモデルに言わせると「圧迫感がなくて良い」と言う。コミュニケーションは声を出せばよいのだ。
この「隔壁」は、ペット(犬・猫など)の撮影時にも、「撮影者の圧迫感をいくぶん希釈する」という意味で、役に立つかもしれない。
私の身近には、被写体ペットがいない。


俯瞰・無影撮影

傾けることができないもの(例えば食卓のうどん)を俯瞰で(真上から)撮影する。
内蔵・外部 speedlight 一灯では、「影」を消すことが困難であった。
無影撮影に RoundFlash は有効である。
意図通り「無影」であるが、「無影」であるがゆえに「立体感」を失う。
これを元に、わずかなサイド光を加えるなど、工夫の余地あり。

湯気でレンズが曇った。
roundflash のせいではない。
料理記録写真
背景飛ばし・俯瞰・無影・静物
白背景さえあれば、簡単である。
Photoshop 切り抜きなど加工は施していない。
撮影したままの画像である。

うどん汁表面での反射光はないが、
無花果表面では軽い反射を認める。
光沢ある表面・鏡面の撮影は、工夫が必要。

「俯瞰・無影・背景飛ばし」が、いつでも・気軽に撮影できる
のは楽しいが、これも catch-light と同じく、
「ワンパターン」の誹りを免れまい。

ソフトボックスとして使う


YN560-III を単独装着し、
RF603 でワイヤレス発光。
ソフトボックスとして使う。
この状態で使えるのだが、
しっかり握る場所がなく、不安定である。
そこで…

小型カメラ・ビデオのための固定具を使う。
「ハンディグリップ」と呼ぶらしい。
もちろん これも Roundflash を使って撮影した。
eBay で600円ほど。
上端の hot-shoe アダプターは、
RF603(リモートトリガー)の「おまけ」。


Roundflash 自体が軽量のため、
グリップ下方をゴム止めするだけで安定する。
使用中に「くるり」と(頭が下に)回転する心配もない。
全体で 700g 程度であり、
長時間 保持しても「左手」が疲れることもない。


YN560 系の最大光量 GN 56 (実際は 40 前後と言われる)で発光すると、
それなりの光量のソフトボックスとして使える。
連続撮影では、電池の消耗が心配だ。

speedlight の slave 受光部が隠れるので、
カメラ内蔵 flash (あるいは main speedlight) 発光→slave 発光には向かない。
ここは YN560 III リモート受信機内蔵型が良い。

一見、「たいへん大袈裟な機材」に見えるので、
知らぬ人に対しては、
「なんか、スゴイものを使っている。」
と、「虚仮威し(こけおどし)」の効果がある。


Zoom, MF 鏡筒(胴)操作

・Roundflash 後面(レンズのマウント側)に僅かな「隙間」があり、そこに指を入れ操作可能な場合、
・Roundflash 前面 (レンズフィルター側)に手を回し入れて、操作可能な場合が
ある。
レンズ直径、操作リングの位置によりけり、である。
確かに不自由ではあるが「全く操作不能」というわけではない。

困るのは、「古くなってズーム抵抗が緩くなったレンズ」である。左手で鏡胴を支え続けることができない(Roundflash 前面に腕を回すと、円形の発光が得られない)ので、特定のズーム位置で固定するのが困難だ。

35, 50mm 単焦点レンズで、かつカメラの AF が信頼できるなら、鏡胴操作は不要だが、
あまりに小型のレンズ(特にパンケーキと呼ばれる薄型レンズ)では
1. ゴムバンドでの固定が困難。
2. Roundflash 洞開口部で画面が蹴られる。

高級・大型単焦点レンズ(各社 85mm など)なら使い心地が良さそうだ。
残念ながら所持していない。


AF 補助光

カメラ本体から あるいは Speedlight からの AF 補助光が、Roundflash で遮光され、(AF 補助光としての意味が)無効になる。(私は YN560 系という「貧者のライト*」を使うので、 AF補助光など もとより存在しない。) 補助光が必要なほど暗い所での撮影では、ペンライトで、焦点位置を照らすことで、代用できよう。

* Price/maxGN (価格 ÷ 公称GN値) を計算せよ。1 GN あたり100円が貧者相場。

光源ズーム

下記 Scott Lewis 記事によると、
「speedlight の ズームを変化させると、発光の様子が変わる」
と記載されている。
が、YN560III の ズーム 24mm でも、105mm でも「出力される光りの形・強さ」とも相違はわずかであった。


TTL 調光

いつか実験しようと思いながら、ついに放置。
今後も実験予定なし。

Compact カメラでの使用

・Hotshoe なし、 内蔵フラッシュ なし
 Roundflash は使えない(だろう)

・Hotshoe あり
 レンズと、speedlight 部の距離が極端に短いと使用困難。
 リモートトリガーを使うか、
 内蔵フラッシュから、speedlight を slave 発光させる。

・沈胴式レンズを採用したカメラ

 Canon Powershot G15 での使用経験
 画像準備中

小型 Speedlight 使用

SUNPAK PF20XD (GN 20) の使用例
単4電池2本駆動、光量 GN20、中国製、
外見は「玩具に毛がはえた」程度、
比較的高価 (6000円を越える)
だが、
カメラメーカーに依存しない、
マニュアル発光、調光5段階、同調発光
かつ RF603 でリモート制御可能
など
「このサイズでは類似相当品がない」 
裏面=コントロール面
無駄に大きい on/off ロータリースイッチ
暗いところでは、現在の設定がみえない調光スイッチ
爪楊枝が必要な シンクロ切り替えスイッチ
デザイナーは「外部光源」を使ったことがあるのか
疑問に思うほどだ。
しかし、それを補って余りある「便利さ」。
これが 3000円未満なら「万人に勧める」のだが。
RF603 に装着する。
合体した姿は「フレミングの法則」を示す指のように、
互いに直交する方向に飛び出しがあり、
美しくない。安定も悪い。
ただし、
双方のスイッチ類が干渉しない点だけは良い。
roundflach の speedlight 装着部の
ベルクロベルトで固定して、「クルッ」と内側に倒す。
この方法では、きわめて不安定である。
speedlight がいつ落下しても不思議でない。
室内でちょっと撮るくらいなら良いが、
戸外で、本気で使うのなら、
PF20XD に「粘着ベルクロテープ」を貼るなど、
落下防止の工夫が必要。
発光面の「均一性」はほぼ良好である。
画面「上」(または「北」)が PF20XD を固定した側である。
固定した側にわずかな光量落ちがある。
テーブルフォトの補助光、
ポートレイトの影消し、程度なら、
多少は役に立ちそうだ。
RoundFlash with PF20XD 作例
光の均質性は良好。
光量が少なく、しかも手持ち撮影である。
focus 域が深い画像には向かない。

考察

・期待通り(もしくは、期待以上)の「モノ」としての完成度。
・発注から到着まで迅速だった。
・catch-light は美しい。しかし、飽きる。
・無影マクロ(的撮影)に有効、これも飽きる。
・ソフトボックスとしても有効。
・日本円にして 7000円までなら、強く推奨するが、
 (YN560-III が 8000円以下で購入可能であることを基準に、
  せめて speedlight より安価であって欲しい)
・現在の価格であれば、「誰にでも勧める」とは言いがたい。
・持ち歩くと、(これが普及するまでは)注目を浴びること間違いなし。
・a. ソフトボックスを持っていない、b. リングライトを持っていない、c. スピードライトを持っているが使用頻度が少ない。以上 a, b, c を同時に満たすなら、購入の価値あり。


欠点・改善希望

・ レンズ固定のメカニズム
・ 価格
・ 交換部品

競合品

・マクロ用の小型 ringflash は競合外として、ここでは扱わない。

Ray flash

 (海外では)評判がよろしい。
 機会あれば使ってみたい。


Orbis ringflash
「銀一」取り扱いで、大型カメラ店に常備されている。
 光が硬そうだが、使ってみたいと思う。
 カメラと一体化するには、『大袈裟な補助具』が必要である。
 それだけ出費するなら、レンズ一本を買い足したいと思うのが通常感覚。


・ O flash (ring adapter)


 どう見ても「真円」にならず、「上端が欠ける」
 $40 と安価であるが、使おうとは思わない。
 国内アマゾンにも出品あり。
 買っても、おそらく、1・2回使用後「お蔵入り」すること確実と直感する。
 買わぬが吉。安物買いの銭失い。


AlienBees ABR800 Ringflash

 これは、素人が手を出すようなものではない。
 プロ用。

・ Hensel ringflash
これもプロ用。


リンク

使用例

ネット上の実例は Flickr photo pool に多数あり。

flickr (RoundFlash group)

顔が画面で埋め尽くされる程度に接近したポートレイトに有効。
完全ドーナツ形のキャッチライトが美しい。
全身撮影のポートレイトでは特に有意義と思えない。
昆虫マクロにも有効らしいが、撮影シーン不明。
マクロほどでなくとも、「無影静物」撮影に有効。
キャッチライトの大きさと、撮影距離の関係につき、誰も語ってくれない。

Instagram にも散見されるが、Flickr との重複が多い。
あまり参考にならない。

Instagram tagged with #roundflash


Reviews

英・独・仏・西語だが google 翻訳などを使えば、大意は汲み取れる。
全般的に「高評価」 である。

19. Gedgetmac, 2013/09/12
詳細な review。欠点の指摘もあり、参考になる。
18. KubeStudio(Jon Hernandez), 2013/09/04
Hensel ringflash との比較写真あり。
17. Foto ois kiva, 2013/09/01
Short report というか、blog の一記事。
16. 500th.net by Martin Joergensen, 2013/08/26
具体的な内容がない。
15. One Ring Flash To Beat Them All, 2013/08/13
14 を引用しているだけで、ほぼ無価値記事
14. Strobist, 2013/08/12
実例が少ない。磁石のことを気にしすぎる。 
13. Scott Lewis, 2013/07/11
mobile softbox として評価する。
12. Jerome Courtois, 2013/07/04
ズーム困難という欠点あるが、ポートレート撮影には好適だ。
11. Thomas Reinmann, 2013/04/25
髙評価、実例あり。だが、有益情報なし。
10. The Phoblograper(Chris Gampat), 2013/03/16
柔らかい光が好みならこれを、硬いの好きなら Ray を選べ。
09. Test De Matos(Nicolas Bernard), 2012/11/06
単純な紹介のみ。Review になっていない。 
08. Giovanni Savino Photography, 2012/09/10
極めて「高評価」。 欠点は、「被写体」と隔絶することだけだ。 
07. DPreview(T. Kachadurian), 2012/09/09
実例なし。3つの欠点指摘。だが高評価。
06. Photo-Tips-Online, 2012/08/28
前バージョンと比較。マグネット固定のギミックを高評価。
撮影例数点あり。
04. QuestionsPhoto, 2012/03/28
長文記事。実例あり。高評価。
03. PhotoPraxis, 2012/03/01
雑誌記事1ページのスキャン pdf (独語)
前バージョンの評価だが、鏡胴操作写真など説明がある。
RayFlash との比較。大きさ・柔らかさを評価。